「連休明けからやる気が出ない」それ五月病かも?乗り越えるためのヒント

「連休明けからやる気が出ない」それ五月病かも?乗り越えるためのヒント(写真:Adobe Stock)

4月に新年度を迎えて、社会人なら入社や昇進、学生なら入学や進級で張り切り新生活にも慣れ始めてゴールデンウィークでゆったり過ごした連休明けに「何をやってもやる気が出ない」気持ちは、決してあなたの“甘え”ではありません。いわゆる「五月病」と呼ばれる、新生活の疲れが一気に表面化したサインかもしれません。

誰にでも起こる可能性がある「五月病」。一歩を踏み出し続けるためのセルフケアや考え方のヒントをお届けします。



五月病とは?


「五月病」は、新社会人や新入生などが、新しい環境に適応するために全力を尽くした後、ゴールデンウィーク明けに燃え尽き症候群(バーンアウト)として心身のバランスを崩し、無気力や不調を感じる状態を指します。医学的には「適応障害」の一種とされ、新生活のストレスが一気に表面化してしまうのが特徴です。

具体的には、やる気の低下や気分の落ち込み、寝つきの悪さ、疲労感、頭痛などが現れ、放置すると日常生活や仕事のパフォーマンスに支障をきたすこともあります。
特に新社会人は、新しい職場での慣れない業務や人間関係で心身のプレッシャーが重なり続けると、蓄積したストレスが自律神経の乱れを招いて、やる気の低下や疲労感、イライラといった症状が現れやすくなるのです。

「五月病(May blues)」は日本独自の現象であり、海外では同様の現象はあまり見られませんが、似たような現象として「January Blues」「September Blues」と呼ぶこともあります。

まずは「自分は今、無理をしていないか」を振り返ってみてください。
少しでも無理しているなと感じていたら、次に紹介する五月病を乗り越えるためのヒントからご自身で取り組める範囲で適切にケアすることを検討してみましょう。



乗り越えるためのヒント:身体を動かす


連休明けの倦怠感には、軽い運動が効果的です。
ウォーキングやストレッチで心拍数を適度に上げると、運動後に副交感神経が優位になりリラックス感が得られます。背中周りの筋肉をほぐすリズム運動は、交感神経の過剰な興奮を鎮めるのに有効です。

また、有酸素運動はセロトニン分泌を促し、気分の高揚やストレス軽減につながります。継続しやすい運動を、毎日の習慣に組み込んでみましょう。



乗り越えるためのヒント:心を整える


心を整える第一歩は「セルフコンパッション」です。セルフコンパッションとは、簡単に言うと「自分に対する思いやり・優しさ」のことで、自分への思いやりを持ち、失敗や疲労感を否定せず受け入れることでストレス耐性が向上します。

具体的には、落ち込んだときに「よく頑張ったね」と自分をねぎらう言葉がけや、深呼吸で自分の感情に寄り添う時間を1日数分設けるだけで効果が期待できます。
これにより、感情の波に翻弄されずに冷静な判断ができ、気持ちの切り替えがスムーズになります。



乗り越えるためのヒント:目標設定の見直し


新社会人は完璧を求めがちですが、高すぎる目標はストレスのもと。
まずは「60点で十分」と自分に許可を出しましょう。達成可能な小さなゴールを設定し、一つずつクリアすることで自己肯定感が高まります。

例えば「今日は資料の要点だけまとめる」「残業せずに帰る」のように具体的に。小さな成功体験を積み重ね、仕事への意欲を取り戻しましょう。



乗り越えるためのヒント:「がんばらない日」を入れる


「がんばらない日」は意識的に休息を取る日をスケジュールに組み込むことで、心身の疲労回復が促されます。
週に一度は業務や家事から完全に離れ、趣味や散歩など好きなことに没頭すると、ストレスホルモンが低下しメンタルが安定します。

さらに、休息を優先することで自律神経のバランスが整い、翌日の集中力やモチベーションが向上します。
まずはカレンダーに「何もしない日」を書き込んで、心と体にゆとりを与えましょう。



乗り越えるためのヒント:専門機関への相談


2週間以上、自分で対処しても倦怠感や不眠・食欲不振が続く場合は、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。
医師によるカウンセリングや必要に応じた薬物療法で、症状の悪化を防ぎ、安心して回復への一歩を踏み出せます。

厚生労働省が運営している「こころの耳」では、こころの健康や病気、支援やサービス等、専門の相談機関や窓口の案内等が紹介されています。



まとめ


「連休明けからやる気が出ない」それ五月病かも?乗り越えるためのヒント(写真:Adobe Stock)

五月病は誰にでも起こり得る新生活後の心身の疲れです。
症状に気づいたら、まずは軽い運動やセルフコンパッションで心身をリセットし、小さな目標設定や「がんばらない日」を取り入れて無理なく立て直しましょう。

2週間以上不調が続く場合は、一人で悩まず、相談できる人に話を聞いてもらったり心理カウンセラーなどの専門機関への相談も大切です。
無理に頑張ろうとせずに、「これならできそう」なことからゆっくり心と身体の調子を整えていきましょう。



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